お知らせ・活動予定


マジック関連の出演、レクチャー、講演、プロデュース、コンサルティング等お仕事募集しています。

2015年3月9日月曜日

【感想】神崎亮仁ソロ公演"face to face"

 神崎亮仁君のソロ公演"face to face"に行ってきました。

 僕もMagic Loverシリーズでお世話になっている下北沢亭という会場で、キャパが大体40人程度、キチンと客席がひな壇になっている、というクロースアップ、サロンほどの規模だとちょうどいい箱です。今回初めて客席に座ってみましたが、いやはや改めてマジックにはすごく適したハコだなぁと、今更ながらに思いました。

 演目を順番にあげていくことは多分本人の意図するものとは違ってしまうと思うので省略しますが、得意のカードマジックを中心として、それ以外にもルービックキューブ、シルク、ロープ、カップなどを使って観客を飽きさせない演目を調整している、マジックのバランスの良い舞台でありました。

 何よりも神崎君自身の愛されキャラクターが全面に押し出された、すごく良い舞台であったなぁと思います。見に行った仲間内で話題になったのがDo as I do ロープルーティーンでの観客を蔑むような目! あそこまで冷たい目でお客さんを見て、かつそれが笑いに繋がっているというのはもう神崎亮仁というキャラクターの勝利です。素晴らしい。

 物によっては、少しボリューム的に足りないかな、もう少し見たいなぁ、という演目も結構あって、そこがボリュームアップすると60分と言わず、70分とか80分とかのみごたえのあるショーになるのかな、という印象ではありましたが、以前からやっていてコンテストにも出しているグラスと赤い封筒を使ったアクトはボリュームもあって、非常に練られていて、すごく良かったです。実際最近こういった劇場系の公演をやったり見たりしている中で感じる事なのですが、いわゆるかなり凝っていて現象も複雑なタイプの演技って今までマジックをやっている人にしか伝わらないのではないか、と思っていたのですが、現実はそうでもないんだな、と。ある人間が時間をかけて考えたり研ぎ澄ませているものって別にマジックをやっているとかいないとかに関わらず、通じるものなんだなぁと。

 それにこれも最近よく思っているのですが、実際マジックの定番モノって実際の所そこまで多くなくて、多分マジックショーを10回も見れば、かなりの数「ああ、この手品は他の人もやっていたな」ってなると思うのですよ。マジシャンが延々に一見さんを相手に出来るのであればそれでも構わないのかもしれませんが、こうした手軽に見に行けるマジックショーが増えるほどに自然と「マジックを鑑賞するのが好き」という人達が出てくるのではないのかなと。そうした時に、いわゆる定番モノをそのまま演じるだけではファンが掴みづらくなってしまって、やはり自分のこだわりがたくさん詰まった”自分の演技”というものが必要になってくるんだろうなと。せっかくマジックを鑑賞するのが好きになってくれた人達に「マジックって面白いし不思議だけど別にどのマジシャン見ても一緒だよね」とならないようにする為には、マジシャンはちゃんと自分らしさをわかる形で提供しなきゃならないよなぁと思います。

 そんなわけで"face to face"は神崎亮仁ソロ公演という名の通り、マジックではなく神崎亮仁が全面にキチンと出た、良いショーでありました。次回も期待しております。