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2014年6月23日月曜日

なぜ女性クロースアップマジシャンは少ないのか 〜あるいはクロースアップマジックの不自然なコミュニケーションについて〜

 何やら世の中がセクハラやら女性軽視やらジェンダー問題に敏感な期間になってきているので、ここは僕も流行にのって手品界のジェンダー問題に取り組んでいこうと思います。

 さて、本日のお題は「なぜクロースアップマジックを演じる女性は少ないのか」です。

 クロースアップマジック、つまりはテーブルマジックを演じる女性、というのはこれまた極端に少ないです。そもそもがどちらかというと男性社会であるマジック界ですが、ステージマジックと比べても極端に少ない。若い女性に至ってはある程度クロースアップマジックをちゃんと演じるのが女性プロマジシャンしかいないんじゃないか、というくらい少ない。少なくともステージマジックでは大学のサークルの女の子達なり社会人クラブのおばちゃん達なりいるのに、なんでこうクロースアップには女性がいないのか。日本クロースアップマジシャンズ協会なる所で長らくコンテスト運営に関わってきていますけど、僕の記憶が確かなら女性でコンテスト出てきたの一人だけですよ。男子は多分のべ100人くらいは楽に出てると思うのですけども。

 
 なんでだろう、と頭をひねった結果出てきたのが、クロースアップマジックという特殊コミュニケーション環境が、女性が日常生活で行うコミュニケーション環境と著しく違うからではないか、との仮説が生まれました。


 ステージマジックの場合、基本的に舞台(又はそれに準じる所)に立って、演者と観客という二つにバチっと分かれるので、それはもう完全に非日常なわけです。だからマジシャンを女性が演じても正直あまり違和感がないし、それはまあ演劇とかフィギアスケートとかアイドルとか、そういうものと大差がない。

 逆にクロースアップマジックというものは、そのスタイルや成り立ちの問題から、芸そのものが日常の延長線上にあります。喫茶店なり居酒屋なり会議の場なりで、一人の男性が複数人を相手に自分の武勇伝を語ってみたり、一人講演状態になったり、とっておきの小話を披露する機会というのは割とありますし、「ああ、こいつまた調子のってるよ」と思いながらも僕らはそれを許容(あるいは我慢)出来るだけの心の広さを持っていますし、時によってはそれがすごく面白かったり興味深かったりする事も多いです。


 でも、僕のささやかな人生の中で、そういうある種場を支配するというか、自分一人で輪の中心になれるタイプの女性というのをお目にかかった事はそこまで多くはありません。女性が場の中心になる場合って、周りの男共がチヤホヤしたりとか、可愛さあまってちょっと意地悪しちゃうような、周囲からの発信を受け止める中心軸、のような形になる事が多い。

 クロースアップマジックを行う場合、その人物はどうしたって場を支配しなければならないし、自らのペースで物事を進めていかなければなりません。そういったコミュニケーションにもしかしたら女性はあまり慣れていないというか、あまりそういった事をしたがらないのではないか、という気がしています。仮にそれが出来る女性がいたとして、じゃあ果たして我々男性側はそういった女性にキチンと場を明け渡し、女性を立てる事が出来るのだろうか、と言われると疑問でしかありません。女性が場の中心になって物事を進めている様子を素直に受け入れられず、ついつい穿った見方をしてしまったりだとか、正当な評価が出来ないように思います。


 そう思うと、「もしかしたらマジシャンも女性、観客も女性という環境でなら女性クロースアップマジシャンは違和感無く成立するのではないか?」と想像を膨らませてみたのですが、これが確かになんだかすごく成立しそうな気がする。となるともう、女性クロースアップマジシャンが世にあまり出てこないのは、どう考えても我々男性側の責任だ、というなんとも耳が痛い結論が自分の中で生まれてしまいました。


 別にまあフェミニストでもないし、もちろん歴史的にみてもクロースアップマジックって男が作ってきた文化なので、それ以外の要素もたくさんあるとは思うのですが、理由の一つとしてこういう問題はありそうだなと。とは言うものの僕自身が男なので、なかなかにこのジェンダー問題を解決するのは難しいかもしれないなぁ、思う次第。

 とまあ僕は女性マジシャンのクロースアップマジックが成立しづらい理由はコミュニケーション環境にある、と思っているので、その環境を変えた形でのクロースアップマジックのアイディアが一個あるので、興味ある女性の方はぜひご連絡下さい。一緒に演技作り上げてどっかで発表しましょう。 


 って、なんかすげーナンパみたいな締め方になった・・・。