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2014年1月6日月曜日

心の余裕、の話。

 先日、業界の大先輩と話している中で、「マジックを純粋に楽しんでくれる人って、やっぱり心に余裕のある人が多いよね」という話を聞いて、ああ、確かにその通りだと思いました。


 いかんせん手品を演じる側の知り合いばかりが多いので、「いやー、この前のこれがすごくウケて」という話は日常的に聞くし、実際にその現場に立ち会ったり、あるいは自らが演じてそうした”ウケ”をもらう事があります。

 
 ついついそこで思考停止してしまっていたのですが、自分を観客に置き換えて「はたして俺は人の芸を見て、それほど純粋に楽しむ事が出来るが出来るんだろうか」と思った時、僕らが常日頃目にしていたお客さんというものは、もしかしてものすごい人達なのかもしれない、と思いました。

 こと現在の日本において、「手品が好きだor興味がある」という事は≒で「自らも手品をしている」事だと僕は思っています。もちろん多くの例外はあるでしょうし、そういう図式じゃダメだ! と思っているのですが、まあでも実感として。仮に手品好きを10段階として、5より上の人が手品を自ら演じるとしましょう。
 そうなるとお客さんというものはみんながみんな、手品好きレベル4以下なわけです。当然その人には他にもっと好きな、好きレベル8とか9とかの物事があるはずです。
 にも関わらず、お客さんは全身で喜んでくれ、惜しみない拍手をくれ、笑顔で帰路につき、下手をしたら後日友達に「この前こんなマジックを見た!」と話までしてくれる。この純粋さ、余裕、ありがたさと言ったら!

 じゃあ、自分は、好きレベル4以下の物事に対して、こんな風に接する事が出来るんだろうか。興味の無さを露見したり、斜めにかまえてみたり、「まあそれなりに面白かったよ」だなんてひねくれた感想をもらしていないだろうか。


 自分の周囲で起こる事にちゃんと好奇心を持ち、そしてそれを純粋に楽しむ事が出来る。それは確かに心の余裕だと思いますし、何かに没頭し、それを表現してくれる人への礼儀と尊敬の念の表れでもあるように思います。表現をする人間は、幸運にもそういう人達に出会い、触れる事が出来る。であるならば、自らもそういう人間になれるよう、目の前のお客様から学ぶ必要があるんだよなと、そう思った次第。