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2013年10月3日木曜日

入り口を広くして参入障壁を高くする、という話。

 僕が手品を始めた頃(1995年頃)から今まで、ずっと言われている事の一つに「今は簡単に情報が入るから、今の若い人たちは恵まれている。昔は情報量そのものが少なかった」というものがあります。それはこの数十年の間に、本、ビデオ、DVD、インターネットと媒体自体は変わっていっていますが、確かに事実だと思います。それに加えて国内外のマジックショップも随分と増えましたし、コミュニティ自体、そして業界の人口自体も増えたのではなかろうか、と感じています。


 またそうした中で優秀なトリックも多く生まれ、手品を演じる敷居というものは確かに下がってきているように思います。今まである一定のレベルまで辿り着くのに5年かかっていたのが、近年ではほんと1年とか、下手すると半年くらいでそれなりの事を演じる人たちがいる。全体の底上げは確かに行われているような気がしますし、手品という世界は多少の興味さえ持てば、とっつきやすくなってきているように思います。


 もちろんまだなんとなくマイナーで、人口としてもその他の趣味、芸能と比べると少ないので、まだまだ色々な形で業界への入り口を広くしていく必要があるかとは思いますし、演じる、研究する、といった以外の楽しみ方というものもしっかりと模索していくべきだとは思います。正直いって一番大切な「見る」という楽しみを持たせるような活動を積極的にしているとは言い難い業界のような気がするので。僕らはお客さんの事をすぐに「プロ・マニア」というやる側と「一般の方・ノンマジシャン」という二つに分けてしまいますが、実際に一番必要なのは「ファン」というその間の人たちのはずですからね。でも実際ファン向けのショーとかイベントって僕の知る限り全然ないんですよね。不思議。あるにはあるけど「レクチャー」とかいう演じる側の人の為の企画と一緒になっちゃってたりする。どーも「手品好きな人=自分でも手品やりたい人」って考えちゃう。で、それ以外の人はみんな極まれに手品を見るくらいの人って括っちゃう。何一つ手品は出来ないけどFISMの歴代グランプリは全部生で見てる、みたいな人の存在を僕らは想像上ですら許してないわけです。


 まあだから演じる人だとか考える人だとか企画立てる人だとか運営する人だとかはもちろん、見る人ってのを増やす為にもまだまだ入り口は広げていかないといけないよね、って思うわけですが、それと同時にある程度演じる側とか企画する側だとかの立場に立った時に、何かしら参入障壁となりうるものを用意しなきゃいけないな、とも思うわけです。


 これはまあトリックの選択的な意味合いもあるんですけど、多分これからはその他の要素の方が大事になってくるんじゃないかなぁと思っています。まだ考えている途中ではあるし、これからの僕の優位性にも関わってくるのでぼかしますが、要するに時間とお金と手間隙をかける事が大事なのだろうと。
 これは演技だけじゃなくて企画にも言えて、最近チラッと仲間内で「ちょっとコンテストでも開催しちゃうかー」みたいなノリの話が出ているわけですが、少しのノウハウと人脈と小銭があれば、現状この業界で行われている規模、クオリティのコンテストなんて簡単に開催出来ちゃうわけで。じゃああっちのコンテストとこっちのコンテスト、コンテストに出たいって人にとってどっちの方がより魅力的なのか、なんていう比較の話って、実はコンテストの数自体が数えるほどしかなかった今までってあまり意識されてこなかった話なんですよね。そこまでのモチベーションも悪意もないのでやらないですけども、現状のコンテストに開催日ぶつけて、既存のものより少し良いコンテスト(色んな要素があるとは思いますが)を開催してコンテスタントと観客奪っちゃう、みたいな事だって少し考えて企画すれば出来ちゃうと思います。


 パフォーマー、イベンターというレベルでいうとやっぱり他との差別化が必要だとは思いますし、手品師が考えがちな「簡単に出来るものの方が良い」という思想は、競争社会になってくると実は足を引っ張る考え方になりかねないのかな、と思います。



うん、まあなんかものすごく当たり前の話をしてるなぁ俺。ぬるま湯で育ってるんだなぁ・・・。